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last updated: 2007.12.17
リコーダーっつーのは、アレです。 小学校とか中学校とかで多分習う、たて笛。 あいつです。
みんなで習うもんだから馬鹿にされがちだけど、立派な楽器です。
学校では上手も下手も一緒くたに合奏するから何となく間抜けな音を想像しがちだけど、極めたプロに扱わせれば魔法の音が出てきます。
もちろん、プロでなくても誰でも気軽に楽しめる。
音楽はも聴くのも楽しいけど、吹くのも楽しい。
学校を卒業して以来ずっと触っていないリコーダー、ちょっと引っ張り出してみませんか?
たてごと♪ は、いくつかの種類のリコーダーを持っています。 それぞれで同じ曲を吹いてみましたので、聴き比べてみてください。
吹いた曲は、アイルランド民謡として親しまれている 「Green Sleeves」 です。
多くの人が、どこかで一度聴いていると思います。
とてもいいメロディーなので、ほとんどの人は気に入ると思います。
が、歌詞が、振られた男のひがみでカッコ悪いので、歌詞については故意に忘れています。。
なお、たてごと♪ はまだリコーダー吹きにそれほど年季が入っているわけではないので、あまりうまくありません。 うまい人はもっととんでもなく綺麗な音を出しやがります。
green-sleeves_alto.mp3 (1:44、1,663,604 Bytes)
木製の安いアルトです。
扱いが悪かったのか、徐々に機嫌が悪くなってきています。
というか、そもそも何か全体的な音程、半半音くらい低いです。
下手な木製よりもプラスチックの方が音がよいと言われていますが・・・うーん。
green-sleeves_alto-p.mp3 (1:44、1,662,768 Bytes)
で、同じアルトですが、こちらはプラスチックです。 中学生のときに授業で使っていたものです。
さて、木製とどう違うでしょう?
たてごと♪ には、音が固めに感じます。
あと、金切り声のようなノイズが聞こえますが、これは吹き方がまずいんでしょうか?
吹き心地としては、木製に比べると息量に対するキャパシティが少ないようです。あと、指紋の吸盤効果で指が楽器に張り付きやすいので、やや扱いにくいです。
にしても、極端に音が悪いということは無いので、市価 \2,000- 程度のプラスチックリコーダーでも充分演奏は楽しめるという事ですね。
green-sleeves_soprano.mp3 (1:51、1,769,766 Bytes)
ソプラノ。 小学校で最初に習うリコーダーです。 と言っても、これは木製ですが・・・でもまあ、相変わらず安物なので。
アルトは F 管でしたが、ソプラノは C 管なので、同じ運指でも音程が変わり、ニ短調がイ短調になってしまいました。
音色的には、アルトとあんまり変わらないようですね。 そのまんま高くしたような感じです。
green-sleeves_sopranino.mp3 (1:42、1,645,632 Bytes)
ソプラノよりもさらに音が高い、ソプラニーノ。
楽器は小さく可愛らしいですが、オーケストラのピッコロよろしく音の通りは抜群です。
密室で高音を出すと、耳にキンキン響きます。
何というか、高いのに野太い、特徴的に音が出ますね。
時々聞き苦しいノイズが聞こえるのは、楽器が小さいせいと、練習不足のせいで、穴をきちんと塞げていないためです。 本当はもうちょっとはっきり鳴ります。
green-sleeves_tennor.mp3 (1:54、1,823,521 Bytes)
今度は逆に下がって、アルトの下、テナー。
楽器が大きくなり、下の穴まで指が届かないので、左手の小指の担当する部分はキーになっています。
キーと言ってもキーシステムではないので、1 つのキーと 1 つの穴が対になっています。
あと、楽器を支えやすくするため、楽器裏側に右手親指を引っ掛けて支えるためのフックがついています。
笛と言えば有名であるフルートと同じ最低音を持ち、楽器の長さもちょうど同じくらいです。 ただし、キーシステムを備えたフルートの音域は 3 オクターブ以上で、リコーダーよりももっともっと上の音が出ます。
このあたりから音が丸みを帯びてきて、リコーダーと聞いて連想する音とは少し変わってきます。
この楽器はなんか、尺八のような音が出ます。
個人的には、持っている中では一番好きです。
green-sleeves_bass.mp3 (1:57、1,877,599 Bytes)
たてごと♪ の持っているものの中では最大の、バス。 この辺になってくると、初めて見る人は大抵これがリコーダーだとわからず、「何て楽器ですか?」 と訊いてきます。
楽器はさらに大きくなり、穴の間隔が伸びて手に収まらなくなるため、右手薬指と左手人差し指を補助するキーも取り付けられています。
そろそろ重くなってくるので、ストラップを付けて首から下げて支えられるようになっています。
また、吹き口が口元に届きやすいように、形状が変わっています。
写真は直吹きタイプのものですが、クルーク (吹き管) が付いているタイプの吹き口もあります。
音は、低いのは当然ですが、とても暖かいような柔らかいような音が出ます。 「ふるさと」 系とか 「仰げば尊し」 系のメロディーには、これがどんぴしゃりハマリます。
しかし、あんまりでかいもんで、吹くには息が大量に必要になります。 あまり長いフレーズを吹く事はできません。 この曲でも、アルトリコーダーに比べるとフレーズがかなりブツ切れになっているのがわかります。
リコーダーの特徴を簡単にまとめておきます。
リコーダーは、基本的には筒に穴を開け、その先にホイッスルをつけただけの非常に簡単なつくりの管楽器です。 と言っても、実際の製作には割と高度な技術が要りますが・・・。
コンパクトで、複雑なキーシステムを持たないので、比較的丈夫で気軽に持ち運ぶことができ、手入れも簡単で、ちょっと趣味で吹くような用途には最適です。 高性能の楽器を選べば、プロユースにも活躍します。
つくりが簡単なので、木製で安いものだと \10,000- くらい、プラスチック製なら \2,000- 程度で手に入ります。
一般的な楽器では安いのでも \50,000- くらいするのを考えると破格です。
もちろん上は際限なく、例えば \200,000- するアルトリコーダーもあるし、サブコントラバスリコーダーだと完全受注生産で流通が無いので \500,000- とかしたりします。
まあ、バイオリンとかになると \5,000,000- 超えるのも平気であるので、それを考えると最高級のリコーダーでも安いのですが・・・。
オーボエやクラリネットのような複雑なキーシステムを持たず、指で穴を塞ぐという直感的な運指で扱えます。 また、発音体がホイッスルで息を吹き込めばとりあえず鳴るので、他の多くの楽器と違って音を出すことに苦労しません。 なので、どんな人でもとっつきやすく、非常に親しみやすい楽器です。
リコーダーは約 2 オクターブの音域を持ちます。 楽器としてはやや狭い音域ですが、キーシステムを持たない木管楽器としてはむしろ広い方であり、かなりの曲を吹く事ができます。
前述の通り、音は誰でも鳴らす事ができますが、練習するとうっとりするような音色を出せるようになります。
一口にリコーダーと言っても、たくさん種類があります。 種類と言っても、全く違う音が出せるわけではなく、音域が異なるだけですが・・・。 歴史の上でたくさんのリコーダーが生まれ、廃れましたが、現在では主なもので 9 種類あります。 上から順に、
となっています。
C はド、F はファで、C4 が 「真ん中のド」 です。
音域の下限が C のものは C 管、F のものは F 管と呼ばれます。
C 管は、「ドレミファソラシド」 と吹けばその通りの音が出ますが、F 管で同じ運指で吹くと 「ファソラシドレミファ」 と鳴ります。
昔は D 管や G 管もあったそうです。
ちなみに、クライネソプラニーノ、コントラバス、サブコントラバスはほとんど使われないようです。 コントラバス、サブコントラバスは筒型ではなく箱型なので、ここまでくるともうリコーダーには見えず、「リコーダーと同じ運指で演奏できる、何か別の楽器」 といった感じです。
基本的に低い音が出る楽器の方ほど大きくて値段も高くなるのですが、新たに買うとしたら 「高い音が可愛い」 とか 「低い音が落ち着く」 とか、好みで選んでいいと思います。
どれを選んでいいか分からない場合は、とりあえず小中学校で習ったはずのソプラノとアルトを練習してみましょう。
主流はアルトリコーダーで、多くの作曲家がアルトリコーダーの為に曲を書いています。
なので、普通 「リコーダー」 と言うとアルトリコーダーを指します。
しかしアルトリコーダーは、「ドレミ」 と吹くと 「ファソラ」 と鳴る F 管なので直感的ではなく、大きさもやや大きいので、小学校ではもう一回り小さいソプラノリコーダーから教えているようです。
特別に、アルトリコーダーの事を 「トレブル」、ソプラノリコーダーの事を 「デスカント」 とも言います。
古い時代の名残のようですが、今もこの名前で呼ぶ人がいるようです。
なお、時々ソプラノリコーダーを 「ディスカント」 と呼ぶ人もいますが、これは誤りです。
英語で書くと 「Descant」 ですから、「ディス」 と発音する余地はありません。
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